オフィス家具に興味のある人ならほとんどが知っているといってもよいハイクオリティデスクチェアである「エルゴヒューマンプロ」。この度、2023年8月に「エルゴヒューマンプロ2」としてモデルチェンジを果たします。
長年エルゴヒューマンプロを愛用してきた筆者としてはいてもたってもいられず、発売に先立って、ショールームで体験してきましたので、レビューしていこうと思います。
エルゴヒューマン公式HP:https://www.ergohuman.jp/
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目次
エルゴヒューマンとは
そもそもエルゴヒューマンとは、人間工学に基づいた最適な姿勢でのオフィスワークを実現するための様々な機能を有したオフィスチェアブランドになります。あらゆる人にとって最適であるために、
- 座面の高さ、前後、傾き(チルト)
- 背もたれの角度(リクライニング)、高さ
- ヘッドレストの高さ
- ひじ掛け高さ、左右、前後、角度
といった様々な部分の調整が可能です。
また、ランバーサポートと呼ばれる腰部分を支える独立したパーツがあることで、腰痛の予防に効果を発揮することが特徴として挙げられます。
エルゴヒューマンプロ2の特徴
「エルゴヒューマンプロ2」では、
- 前傾チルト機能
- 新色グレーフレーム登場
- 基盤構造の改善
- 環境にやさしい新素材を採用
- ランバーサポートはより使いやすく
にように大きく5つの変化ポイントが掲げられていますが、実物を見るとそれだけでは足りないほどの変化点がありましたので、上記の5つに限らず、エルゴヒューマン愛用者でもある筆者の考える大きな変化点をいくつか挙げていこうと思います。
前傾チルト機能
今回の変更で個人的に一番素晴らしいと感じたのは、前傾チルト機能でした。今までエルゴヒューマンプロを使っていて、デスクワークの際に、前傾姿勢気味で集中して作業を行おうとしたときに、座面は前傾にチルトできるのですが、そのめんどくささ(裏面のノブを回さないといけない)と、背もたれが前傾姿勢までついてこないのがエルゴヒューマンプロに対するいまいちポイントでした。また、背もたれをもう少し前傾姿勢の状態でロックしたいと個人的とも感じていました。(最初のロック位置が後ろに倒れすぎの印象)
ところが、今回のプロ2での前傾チルト機能はこの「いまいち」を完全になくすものでした。明らかに旧モデルよりも前傾の位置で背もたれも含めて固定できます。ちょうどPC作業を行うときに最適な姿勢です。
もうこの時点で、購入することは決まったようなものでした。
チルトの変更の仕方も旧モデルとは異なり、座った状態で操作可能となりました。座って左手にあるレバーの上げ下げ(OFF・ON)で、チルトの変更が可能です。ただし注意したいのが、座面と背面が連動する設計になっており、レバーの上げ下げで調整できるのが、前傾方向への座面・リクライニング角度の範囲ということです。もう少し端的に言うと、「レバーを上げた時よりも下げた時の方が、より前傾姿勢までリクライニングを起こせる」機能ということです。
リクライニング固定をフリーにしていると背もたれに体重をかけると後ろに倒れて、体重をかけないと起き上がってきますが、起き上がりきった角度がより急になるかならないかの違いです。
この辺りは、旧モデルのチルト角で満足している方はあまり恩恵を感じられないかもしれません。
チルトレバー:OFF チルトレバー:ON |
ランバーサポート調整機能
筆者はあまり感じたことがないのですが、人によってはエルゴヒューマンプロのランバーサポートが柔らかすぎると感じる方が少なからずいらっしゃるようです。柔らかすぎるがゆえに、メッシュ地ではなく枠に腰が当たり不快に感じる方もいらっしゃるとのことでした。
確かに、筆者も体重のかけ方を変えたりすると、枠に当たるなぁとは感じていました。(気になるレベルではないですが。。。)
今回のモデルチェンジで、この辺りも改善されているようで、ランバーサポートの反力(テンション)を調整できるようになっています。結構な幅で反力を調整できるようなので、より様々な体格の人にフィットするようになっていると感じました。実際に座ってみても、反力調節機能の効果か、機構設計変更そのものの効果かは不明ですが、上記のような枠に腰が触れるとったことはありませんでした。
感覚的に旧モデルよりも反力が強くなるように設定してみると、ランバーサポートによりしっかりと体が支えられている感じがしました。(自宅に帰って旧モデルに座ってみると、ランバーサポートの反力がもう少し欲しいと感じてしまいました)
背面のダイヤルを回すと反力が調整できる |
ラチェット式調節機能
背もたれとひじ掛けの昇降機構も変更されていました。今まではボタンやレバーを押したり引いたりしてストッパーを外して調節していました。しかしながら、プロ2では背もたれもひじ掛けもラチェット式になっており、下から順番に上がっていき、一番上まで上げ切ると一番下に戻るという仕組みになっています。
いちいちボタンを押したりせずとも高さ調節が可能になったという点は良いと思う一方で、ラチェット式は、ある位置からちょっとだけ下げる際には不便な機構(いちいち一番上まで上げて、一番下まで下げて再度上げなおす必要がある)なので、その部分が使い込んでみてどう感じるかなぁといったところです。
背もたれもひじ掛けもそこまで頻繁に調節する場所ではないので、あまり気にはならないかもしれません。
あと、なぜかヘッドレストはラチェット式ではなかったです。もともと、レバーやボタン操作が必要なかったので、ラチェット式にする必要がなかったのだと推測しています。
オットマン
筆者はオットマンは使わないです。というのも、自分の体格に対してオットマンの長さが中途半端で使いやすいと感じたことがないからです。ところが、プロ2のオットマンは2段階展開になっており、かなり長い範囲で足を支えてくれるため、非常に使い心地が良いものでした。ほとんどの方は、しっかりと足を乗せきれるため、非常に楽な姿勢になるのではないかと感じています。
エルゴヒューマンプロとプロ2との比較
エルゴヒューマンプロ | エルゴヒューマンプロ2 | |
背面調整 | レバーロック式 | ラチェット式 |
ひじ掛け調整 | ボタンロック式 | ラチェット式 |
メッシュ | 旧エラストメリックメッシュ | 新エラストメリックメッシュ ※織が高密度になり高弾性化 |
アームパッド | – | 厚み増加、面積拡大、柔軟化 |
座面 | モールド or メッシュ | メッシュのみ |
カラー | メッシュ:12色 フレーム:1色 | メッシュ:5色 フレーム:2色 |
前傾チルト機能 | 調整ノブ(座面のみ) | チルトレバー(座面・背面) |
ランバーサポート | – | テンション調整可能 |
オットマン | 1段階展開 | 2段階展開 |
ジャケットハンガー | – | 収納機能あり |
ラインナップ
今回のエルゴヒューマンの新製品ラインナップとしては、今回紹介した上位機種であるProが3種、下位機種であるENJOYが2機種になります。
それぞれの違いは、ヘッドレストの有無、独立ランバーサポートの有無、オットマンの有無になります。
Pro2 Ottoman | Pro2 High Type | Pro2 Low Type | ENJOY2 High Type | ENJOY2 Low Type | |
ヘッドレスト | 〇 | 〇 | 〇 | ||
独立ランバーサポート | 〇 | 〇 | 〇 | ||
オットマン | 〇 |
まとめ
今回は、長々とレビューを書いてきましたが、実際に購入する予定ですので、使い込んでみた感想を追って書いていきたいと思います。
皆さんも気になった方は、ぜひショールームなどでお試ししてみてはいかがでしょうか。一度座ったら最後、買いたくなってしまいますが。。。