名作といわれるキーボードは数あれど、ここまで無駄のない仕様に仕上がっているものは数少ないのではないかと思われる「Logicool G913 TKL」に関してレビューしていきます。
目次
仕様
スペック
- 長さ × 幅 × 高さ:360mm × 150mm × 22mm
- 重量:810g(ケーブル除く)
- 付属ケーブル長:1.8m
- 充電端子:micro-USB
- 接続方式:LIGHTSPEEDワイヤレス、Bluetooth
- 価格:実売3万円前後
外観
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筆者が選んだ理由
私は普段、在宅メインで仕事をしている技術エンジニアです。業務としては、CADを用いた3Dモデリングや、よくある報告資料作りなどが在宅ワーク中のメインになります。
そんな私が、なぜこのキーボードの購入に至ったかというと、理由は以下の4つ。
- ワイヤレスキーボードが欲しかった
- 充電式が良かった
- メカニカルキーボードの打鍵感が好き
- テンキーは必要なかった
ワイヤレスキーボードが欲しかった
在宅ワークをしている方の多くは共感いただけるかと思いますが、仕事と普段使いのデスクというのは共有になるのが基本だと思います。(中には完全に別空間を利用している方もいらっしゃるとは思いますが…)
となると、仕事をするデスク上でプライベートの作業を行うことが出てきます。仕事中は基本的にパソコンを使用しているので特に気にはならないのですが、パソコンを使用しない作業をデスクの上で行おうとすると、有線のキーボードは非常に取り回しがしにくく邪魔に感じることが多くありました。
一方、ワイヤレスのキーボードの場合、置き場所さえ確保すれば、取り回しは非常に楽ですので、パソコン以外の作業が非常に捗ると考えていました。
充電式が良かった
ワイヤレスキーボードにしたときに考えないといけないのが、充電式なのか乾電池式なのかです。
これに関しては、充電式一択と考えていました。理由は簡単で、乾電池は捨てるのも面倒ですし、キーボードに限らず、乾電池製品は必要な時にサイズの合った乾電池の在庫が家になくて困ることがほとんどだったからです。
メカニカルキーボードの打鍵感が好き
私はG913TKLを購入するまでに、マイクロソフトのエルゴノミクスキーボードや他のメカニカルキーボードを使用してきました。エルゴノミクスキーボードも慣れると非常に使いやすかったのですが、やはりメカニカルキーボードの打鍵感のほうが好みに近く、仕事を気分よくできる部分で軍配が上がっていました。
※もしエルゴノミクスで好みの打鍵感のメカニカルキーボードとかがあったら即買いかもしれません(笑)
テンキーは必要なかった
皆さんはテンキーってどのくらい使用されるでしょうか。少なくとも私はテンキー一体型キーボードのテンキーを使うことはほぼありません。ただし、テンキー自体を使わないということではありません。
どういうことかというと、一体型のキーボードだと右側にテンキーがついていると思うのですが、私は、左手側に独立したテンキーを配置して使用しています。
いろいろ試行錯誤したうえでたどり着いた結論なのですが、3DCADの数値入力や、エクセルなどへの数値入力の際には、左手でテンキーを操作したほうが圧倒的に効率的でした。
特に3DCADでは、右手にマウス、左手にテンキーが私の中での最高配置でした。
ですので、キーボード自体にはテンキーは必要ではなく、むしろ右側のスペースをとってしまう邪魔なものでした。
ファーストインプレッション
以上の理由から数々の商品を吟味した中でたどり着いたのが「G913 TKL」だったわけですが、まず手元に届いて開梱した感想は、
「思った以上に見た目が良い」
でした。個人的にヘアライン加工は、デザイン面でも、汚れが目立ちにくいという実用面でも好みということもあり、非常にデザインに関して気に入りました。
メインキー以外のファンクションキーも必要最小限にとどめられており、すっきりした印象でした。
また、打鍵感に関しても、メカニカルキーボードの中では薄型に入るこのモデルですが、しっかりとした感触が手に伝わってくるもので、非常に良いと感じました。実際には店頭で若干は触っているのですが、自宅のデスクで触ってみないと打鍵音も含めて本当に好みか不安ながら購入したのですが、文句の付け所がないほどしっくりきました。
実際に使用した感想
実際の仕事の中で、1年ほど使用してみましたので、感想を書いていこうと思います。
良かった点
必要十分な機能性
私がG913TKLを購入した理由の部分でも触れましたが、私が機能的に欲していた部分「ワイヤレス」「充電式」「メカニカル」に関しては、十二分であると感じています。
ワイヤレス接続で危惧していた、接続跡切れや遅延などは全くない(感じない)ですし、充電に関しても、週一回程度キーボードを使用しないときに充電ケーブルにつないでおけば、日常使用では問題なく電池は持ちます。(実際はもっと充電頻度は少ないかもしれません)
キーボードの右上付近にあるファンクションボタンはあまり使用していないですが、音量調節ようにコントロールバーは重宝しています。具体的には、web会議中に声の聞こえにくい相手が話しているときにとっさに音量を上げる場合が多いです。
デスク上の省スペース化
「テンキーレス」という部分でもデスク上の空きスペースが広くなることで、すっきりした印象になりますし、マウスまでの物理的な距離が近くなるので、腕に負担をかけずに仕事をできているように感じています。
このテンキーレスの効果は、実際にテンキーレスキーボードを使用されたことがない方はわかりづらいと思います。日ごろからテンキーを使用されないという方は、G913TKLに限らずですがテンキーレスキーボードを使用されてみるとこの効果を実感できると思います。明らかにマウスの操作がしやすいです。
静音性
意外と良かった点が、メカニカルキーボードなのにそこそこ打鍵音が小さいというものです。
できる限り静かなlinear(赤軸)モデルを選らんだというのもあるのですが、しっかりとした打鍵感があるのに音は意外と静かというのが使ってみて実感した部分になります。
実は、これまでに使用していたメカニカルキーボードは、そこそこ打鍵音が大きく、web会議の際に相手に打鍵音が聞こえてしまうことが多々ありました。(同僚から言われて気づきました。。。)
特に私はヘッドセットも使いますが、マイクとスピーカーで通話することが多いので余計に打鍵音を拾ってしまっていたようです。
しかし、G913TKLに変えてからそういった指摘はされないですし、同僚に確認しても全く気にならないといわれました。
ですので、web会議が多い仕事だけれども、メカニカルキーボードを使いたい方には、G913TKLのLinear(赤軸)は実体験からおススメできます。
いまいちだった点
キー印字
ところどころ、LED透過ではなくて印字(プリント)になっている部分があるのが、デザイン的に気になる部分でした。私の推測ですが、これに関してはバックライトLEDの位置の問題のようで、キーの中心から上にズレた位置にLEDがついているため、キーの下のほうの文字も透過式にすると見えにくくなるようです。
キーの軸を避けた位置にLEDを配置せざるをえないという点でしょうがない部分ではありますね。。。
「そういうところこそ機構設計の腕の見せ所」と考えてしまいますが、実際に機構設計をしている身からすると、「量産コストとの折り合いがつかなかったんだろうなぁ」とか「デザインからはいろいろ言われたんだろうなぁ」とか想像してしまします。(笑)
充電時の挙動
充電時の挙動に関しても少し気になる部分があります。
基本的には充電しながら使用することはないので、まあ問題にはならないのですが、充電しながら使用するとおかしな現象がおきます。それは「充電ケーブルを差している間キーボードが使えなくなる」といったものです。
この現象、いつでもなるかというとそうではなく、キーボードとワイヤレス接続しているPC以外から給電しようとすると発生します。
私は普段、充電用のUSBケーブルなどはPCを介さずにコンセントからとることが多いのですが、どうもキーボードの充電に使おうとすると、PCとの接続が切れてしまうようです。
PCにUSBケーブルを繋げばこのような問題は発生しないのですが、このキーボード用に別にUSBケーブルを用意するのも面倒だなぁと思ってしまっています。
まとめ
まず、トータルでは「買って損はしないキーボード」ということは言えます。
特に、私が購入を決めた理由の
- ワイヤレスキーボードが欲しかった
- 充電式が良かった
- メカニカルキーボードの打鍵感が好き
- テンキーは必要なかった
どれか1つでも共感いただけた方にはおススメになります。
実売が3万円前後となかなかの価格にはなりますが、その分QOW(Quality Of Work)が上がることは間違いないものですので、思い切って購入してみてもよい製品だと思います。